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2024年6月〜保険適用がさらに拡大!メタルフリーの白い被せ物「CAD/CAM冠」

2024年6月〜保険適用がさらに拡大!メタルフリーの白い被せ物「CAD/CAM冠」

2024/06/09 ブログ

こんにちは。愛媛県松山市のもりもと歯科クリニック院長の森本です。
当院の「金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト」をご覧いただきありがとうございます。

今回は、2024年6月より保険適用の範囲がさらに広がった被せ物「CAD/CAM(キャドキャム)冠」について解説します。

CAD/CAM冠とは?

CAD/CAM冠とは、レジン(プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜたハイブリットレジン素材を、コンピューターで設計したデータを基に、機械で削って作り出す白い詰め物です。時間が経つと変色・着色しやすいという問題もありますが、天然歯に近い硬さ、自然な色味が特徴です。

CAD/CAM冠のほかに「PEEK(ピーク)冠」という白い詰め物もあります。PEEK冠は「ポリエーテルテルケトン」の略で、素材はレジン(高強度プラスチック)です。アイボリー色なので天然歯のなかで目立ちやすいですが、素材にセラミックが入っていない分、たわみやすく破損しにくい利点があります。

CAD/CAM冠もPEEK冠も、最大のメリットは、保険適用で白い被せ物を着けられる、自由診療と比べて治療費用を抑えられる、そしてメタルフリー(歯科金属を使っていない)ので金属アレルギーの心配がない点です。

2024年6月からの保険適用範囲は?

もともと、2023年12月の診療報酬改定により、PEEK冠はすべての奥歯で保険適用にて使用できるようになっていました。

そしてCAD/CAM冠は、第二大臼歯(7番の歯)が上下左右4本とも残っている場合に、第一大臼歯(6番の歯)に対して保険適用で使えると定められていました(金属アレルギーの方は、この限りではありません)。

愛媛県松山市の歯医者もりもと歯科クリニック|ブログ|2023年12月〜保険適用が拡大!メタルフリーの「CAD/CAM冠」|歯列の画像

参考:2023年12月〜保険適用の範囲が拡大!メタルフリーの「CAD/CAM冠」|ブログ|松山 もりもと歯科クリニック

2024年6月の改訂により、条件付きではありますが、CAD/CAM冠を第二大臼歯(7番の歯)、第三大臼歯(8番の歯/親知らず)にも保険適用で使えるようになりました。

CAD/CAM冠を保険適用で使える条件

必須条件
CAD/CAM冠を装着する歯の左右の反対側に、上下でしっかり噛み合う大臼歯がある(ブリッジを含む)。

どちらかの条件
1.CAD/CAM冠を装着する歯と左右同じ側に、上下でしっかり噛み合う大臼歯があり(ブリッジを含む)、CAD/CAM冠に力がかかりすぎない。

2.CAD/CAM冠を装着する歯と左右同じ側に、上下でしっかり噛み合う大臼歯(ブリッジ含む)がない、あるいは義歯の場合は、その手前までの歯がしっかり噛み合う(ブリッジ、乳歯を含む)。

※金属アレルギーの方は従来通り、この限りではありません。歯科医師にご相談ください。

愛媛県松山市の歯医者もりもと歯科クリニック|ブログ|2024年6月〜保険適用がさらに拡大!メタルフリーの白い被せ物「CAD/CAM冠」|改訂前後の解説図厚生労働省「令和6年度歯科診療報酬改訂の主なポイント」より

CAD/CAM冠の保険適用範囲が広がるメリット

これまでは、保険適用で奥歯に白い詰め物を入れようとすると、PEEK冠を使用する必要がありました。強い力が加わってもたわみやすいので、割れたり欠けたりするリスクが少ないのは利点ですが、アイボリー色で不透明なため目立つのが難点です。

それに対してCAD/CAM冠は、素材にセラミックが入っているためたわみにくく、PEEK冠に比べて破折リスクが上がります。しかし、自然な白色で透明感があり、目立ちにくく審美的に優れています。

どんな素材にもメリット・デメリットはありますし、患者様によってどんな治療法、どんな被せ物・詰め物が適するかは異なります。ですから、保険適用による白い歯の選択肢が増えることは、多くの方にとって良いことだと思います。

もっと以前は、金属アレルギーがない方は、大臼歯に対してCAD/ACM冠が使えず、銀歯を入れるしかありませんでした。

もりもと歯科|銀歯の方は要注意 水銀を含む「アマルガム」とは|銀歯イメージ画像もりもと歯科|銀歯の方は要注意 水銀を含む「アマルガム」とは|銀歯イメージ画像

銀歯は強度が高い反面、見た目が目立ちますし、金属成分が溶け出して全身に影響を及ぼす可能性があります。金属アレルギーによる健康への影響を減らすためにも、もりもと歯科クリニックでは銀歯を使わない“メタルフリーな治療”を推奨しています。

保険適用のメタルフリー治療はご相談を

もりもと歯科クリニックでは、お口の健康はもちろんこと、全身の健康を考えた治療を重視しています。たとえば歯周病や根尖性歯周炎は、細菌が血管から体内に入り込んでさまざまな全身疾患を引き起こす恐れがあるため、早期のケア、治療が必要です。

また、銀歯などの歯科金属は唾液により溶け出し、血液の循環によって全身に届けられ、口の中だけでなく、全身でアレルギー反応を引き起こす場合があります。口内炎や口周りの湿疹、手足の湿疹などの金属アレルギー症状のほか、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)を発症することもあります。

当クリニックでは、体に害の少ない素材を使用することで、お口の健康はもとより、全身の健康を常に意識したメタルフリー治療を推奨しています。

お口や全身の健康でお悩み、ご相談のある方は、ぜひ一度もりもと歯科クリニックへご来院ください。

下記のページもご参照ください。
金属アレルギー|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック 
歯の詰め物・被せ物 料金表|金属アレルギー|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック