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国民皆歯科健診とは?歯科健診と歯科検診の違いも

国民皆歯科健診とは?歯科健診と歯科検診の違いも

2024/04/03 ブログ

こんにちは。愛媛県松山市のもりもと歯科クリニック院長の森本です。
当院の「金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト」をご覧いただきありがとうございます。

今回は、「国民皆歯科検診」と、よく聞かれる「歯科健診」と「歯科検診」の違いについて解説します。

歯科健診が義務化される?「国民皆歯科健診」とは

皆さんは「国民皆歯科健診」という言葉を、聞いたことはありますか?

すべての国民が生涯にわたってお口の健康を維持できるようにする制度で、歯科健診の受診が義務付けられるかもしれません。2022年に、政府の「骨太の方針」に盛り込まれ、2025年度からの運用を目指して準備が進められています。

なぜ、歯科健診が義務化されるのでしょう?その背景には、いくつかの理由があります。

1.歯科健診を受ける人はあまり多くない

現在、日本で歯科健診の受診が義務付けられているのは、乳幼児等を対象にした「乳幼児歯科健診」と、児童生徒等を対象にした「学校歯科健診」のみです。つまり、高校を卒業すると、歯科健診を受ける機会はぐっと減ります。

※2022年10月より、有害物質を扱う労働者も歯科健診の受診が義務化されました。

成人してからは妊産婦が対象のほか、歯周歯科検診を40歳、50歳、60歳、70歳といなど節目で受診できますが、いずれも「努力義務」にとどまっており、強制力はありません。

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日本歯科医師会 「2040年を見据えた歯科ビジョンー令和における歯科医療の姿―」P33の「図表26 ライフステージにおける歯科健康調査」より

過去1年間に歯科検診を受けたことがあるという人は年々増えていますが、2022年の調査によると、全体で58.0%と約6割にとどまっています。特に30歳〜50歳未満の男性は受診率が低い傾向にあります。

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厚生労働省 「令和4年度歯科疾患実態調査の概要」P32の「図27.歯科検診を受診している者の割合、性・年齢階級別」より

2.お口の健康は全身の健康状態につながる

なぜ、歯科検診を受診する人が少ないと問題なのかというと、口腔内の疾患、特に歯周病を放っておくと、歯だけでなく全身の健康に影響を及ぼす可能性があるからです。

歯周病が進行して歯周病菌が体内に入り込むと、糖尿病や心疾患、アルツハイマー型認知症、関節リウマチなどを引き起こすリスクがあります。また、誤嚥性肺炎の原因にもなります。

これらの発症リスクを下げるには、歯周病を予防・治療することが大切です。

しかし、中度の歯周病の目安である“深さ4mm以の以上の歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)を持つ人”の割合は、年々増加傾向にあり、特に20歳〜40歳の若い世代で大幅に増えています。

ちょうど、高校を卒業して学校歯科健診も終わり、自主的に歯科検診を受ける機会がなかなかないと思われる時期です。

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日本歯科医師会 「2040年を見据えた歯科ビジョンー令和における歯科医療の姿―」P35の「図表27 4mm以上の歯周ポケットを持つ者の割合」より

「歯科健診」と「歯科検診」の違いは?

さて、ここまで読んでいただいて、「歯科健診」と「歯科検診」の2種類があることに気づきましたか?とても似ていますが、実は内容は異なります。

1.歯科健診

「歯科健康診査」の略で、虫歯や歯周病などを予防・早期発見するため、歯の状態を総合的に確認します。先ほどの「歯科健診を受ける人が多くない」でも触れましたが、法によって種類や対象年齢が定められており、子どもは受診が義務付けられています。

■乳幼児歯科健診…1歳6ヶ月、3歳(義務)
■学校歯科健診…小学生、中学生、高校生(義務)
■自治体が行う健診(歯周病健診、特定健診など)…40歳、50歳、60歳、70歳など

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2.歯科検診

むし歯や歯周病などを発症していないか、病気の早期発見を目的としています。「がん検診」などと同じです。主に歯科医院で受診することができ、必要に応じてレントゲン撮影など細部までチェックする場合もあります。

また、歯科医院によっては検診と一緒に、歯磨きでは落としきれない歯の汚れ(歯垢)や歯石を専用の機器でクリーニングしたり、正しい歯磨き方法を指導したりしています。

「予防歯科」は全身の健康にもつながる

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愛媛県松山市の「もりもと歯科クリニック」は、虫歯や歯周病の治療はもちろん、歯科検診をはじめとした“予防歯科”にも力を入れています。

定期的にお口の状態をチェック、クリーニングすることは、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療につながります。もしトラブルが見つかっても、早期に適切な治療を行えば、歯の寿命を伸ばすことが可能です。

健康な口腔内でいることは、全身の健康管理をする上でも非常に大切です。歯やお口でお悩みや気になることがありましたら、ぜひお早めにご来院ください。

下記のページもご参照ください。
歯ブラシの正しい選び方!歯磨き効果アップにもつながる|ブログ・症例|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック 

「お口の健康状態」が「全身の免疫」を変える?|ブログ・症例|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック