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2023年12月〜保険適用の範囲が拡大!メタルフリーの「CAD/CAM冠」

2023年12月〜保険適用の範囲が拡大!メタルフリーの「CAD/CAM冠」

2023/12/25 ブログ

こんにちは。愛媛県松山市のもりもと歯科クリニック院長の森本です。
当院の「金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト」をご覧いただきありがとうございます。

今回は、2023年12月1日より保険適用の範囲が広がった被せ物「CAD/CAM(キャドキャム)冠」について解説します。

CAD/CAM冠とは

CAD/CAM冠とは、レジン(プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜたハイブリットレジン素材を、コンピューターで設計したデータを基に、機械で削って作り出す白い詰め物です。
色のバリエーションがあまり多くない、経年で変色・着色するという問題もありますが、天然歯の硬さに近い、破折のリスクが少ないなどのメリットがあります。

何より、保険適用で白い被せ物を装着できる、自由診療と比べて治療費用を抑えられる、そしてメタルフリー(歯科金属を使っていない)ので、金属アレルギーが心配な方も安心して使用いただける点が、大きな特徴です。

保険適用の範囲は、どう変わった?

CAD/CAM冠はもともと自費診療(保険適用外)でした。しかし2014年に、一部の歯に対して保険適用となったのを皮切りに、徐々にその範囲が拡大し、奥歯を除くほとんどの歯で使用できるようになっていました。

奥歯については、これまでは7番の歯(第二大臼歯)が上下左右4本とも残っていれば、6番の歯(第一大臼歯)に対して保険適用で使えると定められていました。4本とも残っていれば、6番の歯に過度な負荷がかからないためです。(金属アレルギー患者さんは、この限りではありません)。

愛媛県松山市の歯医者もりもと歯科クリニック|ブログ|2023年12月〜保険適用が拡大!メタルフリーの「CAD/CAM冠」|歯列の画像

それが2023年12月1日の診療報酬改定により、7番の歯が残存していなくても、6番・7番・8番(親知らず)すべての大臼歯に、CAD/CAM冠が保険適用で使えるように変更されたのです。

【参考】2022年4月からメタルフリーの詰め物「CAD/CAMインレー」が保険適用になりました|ブログ|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト松山 もりもと歯科クリニック

すべての大臼歯でCAD/CAM冠が使えるメリット

これまで、金属アレルギーがある方は大臼歯に対してCAD/ACM冠が使えましたが、そうでない方には使用できませんでした。奥歯は前歯ほど目立たないとは言え、やはり笑ったときになどに見えるので、銀歯を避けたい方は自費診療で白い被せ物を入れる必要がありました。

自費診療は高額だから避けたいという方には、保険診療で銀歯を入れる方法もあります。しかし、銀歯は強度が高い反面、金属成分が溶け出して全身に影響を及ぼす可能性があるので、当クリニックでは推奨していません。

今回の改定で、金属アレルギーの方以外も、すべての大臼歯に保険適用でCAD/CAM冠が使えるようになったことは、大きな進歩と言えます。

愛媛県松山市の歯医者もりもと歯科クリニック|ブログ|2023年12月〜保険適用が拡大!メタルフリーの「CAD/CAM冠」|銀歯とCAD/CAM冠を入れた歯のイメージ画像
銀歯など歯科金属を入れた歯(左)と、CAD/CAM冠を入れた歯(右)のイメージ画像

新CAD/CACM冠用材料は、天然歯と色が合わない場合も

ただ、メリットばかりではなくデメリットもあります。

今回の改訂により、新たなCAD/CAM冠用材料が、保険適用で大臼歯に使えるようになりました。しかし、まだ1メーカーの1製品しか認可されておらず、アイボリー1色のみ展開されているため、ご自身の歯の色と合わない場合があります。

できるだけ歯の色調を合わせたいという方は、現状では、従来から使用されているCAD/CAM冠用材料を選択いただくことになります(適用には条件があるので、歯科医師にご確認ください)。

また、天然歯に近い硬さ(強度)ではありますが、セラミックなどに比べると劣るため、歯ぎしりや食いしばりが強い方には、適さない場合もあります。

保険適用でメタルフリーなら、CAD/CAM冠

CAD/CAM冠は、「銀歯を入れたくない」「今入っている銀歯を白い被せ物に変えたい」など、保険適用でメタルフリーの治療を希望される方におすすめです。

ただし、材料の色のバリエーションがまだ少ないため、「できるだけ天然歯に近い、自然な白さにしたい」という方には、セラミックなどほかの材料の被せ物を推奨します。逆に、「歯の見た目はあまり気にしない」という方には、CAD/CAM冠も選択肢のひとつとなるでしょう。

大臼歯ではありませんが、CAD/CAM冠を使って治療した症例を紹介しますので、こちらもぜひご覧ください。
【症例】保険診療でできるメタルフリー治療|ブログ・症例|掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック

「もりもと歯科クリニック」では、治療方法や、各歯科素材のメリット・デメリットをしっかりご説明し、患者様それぞれの全身の健康を考えた歯科治療を意識しています。歯に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

下記のページもご参照ください。
金属アレルギー|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック 
歯の詰め物・被せ物 料金表|金属アレルギー|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|松山 もりもと歯科クリニック