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審美性に優れた部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」とは

審美性に優れた部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」とは

2025/05/20 ブログ

こんにちは。愛媛県松山市の「もりもと歯科クリニック」院長の森本です。当院の「金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト」をご覧いただきありがとうございます。

失った歯を補う治療法はいろいろありますが、見た目が自然で目立たなく、装着感も違和感が少ない「ノンクラスプデンチャー」はご存知でしょうか?ここでは、ノンクラスプデンチャーの特徴やメリット・デメリット、どんな方にお薦めか、などについて解説します。

ノンクラスプデンチャーとは?

ノンクラスプデンチャーとは、金属のバネ(クラスプ)を使用せずに装着する、部分入れ歯のことです。

従来の部分入れ歯は、残っている両隣の歯に金属のバネを引っかけて固定します。ノンクラスプデンチャーは、金属の代わりに柔軟性のある樹脂素材が使われているため見た目が自然で、歯茎にぴったりとフィットするので装着感も比較的優れています。

何より、金属を使用しないため、金属アレルギーのある方や金属アレルギーが心配な方にも安心してお使いいただける、体にやさしい素材と言えます。

ノンクラスプデンチャーと従来の部分入れ歯の比較画像|審美性に優れた部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」とは|愛媛県松山市の歯医者「もりもと歯科クリニック」

左)金属が使われた部分入れ歯、右)ノンクラスプデンチャー

 

ノンクラスプデンチャーのメリット

ノンクラスプデンチャーには、さまざまなメリットがあります。

金属アレルギーのリスクがない

銀歯などの歯科金属が口腔内にあると、唾液により金属が溶け出して血液循環にのって全身にまわり、金属アレルギーや掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)を発症する可能性があります。しかし、ノンクラスプデンチャーは金属を使用していないため、そういった心配がありません。

残存歯への負担が少ない

通常の部分入れ歯は、入れ歯の両端にある金属バネを、両隣の歯に引っ掛けるようにして装着します。金属バネを引っ掛けられるよう両隣の歯を少し削る場合があり、さらにバネをかけることで歯への負担もかかります。ノンクラスプデンチャーは樹脂を歯茎に被せるようにして装着するため、周囲の歯にかかる負担を分散しやすく、歯を健康なまま維持できる可能性が高まります。

金属を使った従来の部分入れ歯のイメージ画像|審美性に優れた部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」とは|愛媛県松山市の歯医者「もりもと歯科クリニック」

金属が使われている部分入れ歯

 

 快適な装着感

ノンクラスプデンチャーは薄くて軽く、柔らかい樹脂素材でできているため、痛みや違和感が少なく快適に装着できます。長時間使用しても、不快感が少ないのが特徴です。

自然な見た目、高い審美性

歯茎に近い薄ピンク色なので、笑ったときや話しているときに金属のバネが目立つことがありません。前歯など目に留まりやすい部分に装着しても、自然な見た目を保てるのが大きな特徴です。

治療費が比較的安価

ノンクラスプデンチャーは保険適用ではないため、自費診療となります。しかし、オールジルコニアセラミックや金属床義歯など、他の自費の治療法の中では比較的リーズナブルな価格帯でご提供が可能です。

製作期間が短い場合もある

症例によっては、従来の部分入れ歯よりも短期間で製作することが可能です。

ノンクラスプデンチャーのデメリット

さまざまなメリットがあるノンクラスプデンチャーですが、デメリットもあるため、検討の際はよく確認しましょう。

ノンクラスプデンチャーのイメージ画像|審美性に優れた部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」とは|愛媛県松山市の歯医者「もりもと歯科クリニック」

ノンクラスプデンチャー

 

適応症例が限られる

歯の本数が極端に少ない場合や、アンダーカット(ノンクラスプデンチャーを保持するための歯茎のくぼみ)がない場合には、適応が難しいことがあります。

経年劣化で耐久性が下がる

素材が薄くて柔らかいため、4〜5年程度で破損や変形が生じやすくなります。また、使用年数とともに樹脂部分が黄ばんだり、ツヤが失われたりすることがあります。日々の使用状況やケアによって、寿命は大きく変わります。

合わなくなった場合の再調整が難しい

フィット感を保つための微調整がしにくく、長年の使用による劣化や口腔内の環境変化により、装着感が悪化した場合には、調整ではなく再作製となる可能性があります。

衝撃で破損する可能性がある

奥歯で強い力で噛み締めたり大きな衝撃が加わったりすると、義歯にヒビが入ったり、割れたりするリスクがあります。

修理が難しい

破損した場合、通常の部分入れ歯のように簡単には修理できません。再作製が必要になるケースもあります。

保険ではなく自費診療

ノンクラスプデンチャーの治療費用は、作製する歯の本数や口腔内の状況、歯科医院によって異なりますが、1装置あたり10万円〜50万円程度が相場とされています。複数歯に対応する場合や、特殊な素材を使用する場合は、価格が上がる傾向にあります。

ノンクラスプデンチャーを長持ちさせる方法

ノンクラスプデンチャーの一般的な耐用年数は4〜5年程度と言われています。使用期間が長くなるほど、変色や変形、破損などのリスクが高くなります。せっかく作ったノンクラスプデンチャーを長持ちさせるには、日々のメンテナンスが大切です。

丁寧な清掃

使用後は毎回流水で洗い、専用の入れ歯洗浄剤に浸けて清潔を保ちましょう。傷がつきやすいので、歯磨き粉でゴシゴシ磨いたりせず、柔らかいブラシなどで優しく汚れを取り除いてください。

落下に注意する

大きな力が加わると変形することもあります。洗浄時には、柔らかい布や水を張った容器の上で扱い、落下による破損を防ぎましょう。

高温や乾燥を避ける

直射日光が当たる場所に放置したり、高温の湯に浸けたり、乾燥状態で放置したりすると変形の原因になります。特に乾燥して水分が抜けると変形するので、入れ歯洗浄剤の中に入れておくのが良いでしょう。洗浄剤が入っていないと、カビが繁殖する場合があります。

ノンクラスプデンチャー洗浄剤のイメージ画像|審美性に優れた部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」とは|愛媛県松山市の歯医者「もりもと歯科クリニック」

過度な咬合を避ける

硬いものを噛む、歯ぎしりなどの習慣がある方は、必要に応じてナイトガードの使用を検討してください。過度が力が加わると破損の原因となります。

定期的なメンテナンス

少なくとも半年に1回は歯科医院で点検を受け、フィット感や状態を確認しましょう。一見わかりにくい、小さなゆがみや破損などがないかチェックします。

ノンクラスプデンチャーはこんな方にお薦め

通常の部分入れ歯のように金属のバネが目立たないため、自然な見た目を大事にしたい方、接客業など人前に出る機会の多い方に適しています。

また、金属を使用していないため、金属アレルギーのリスクがありません。現在、金属アレルギーを持っている方や、今後、金属アレルギーを発症するリスクを低減させたい方に非常にお薦めです。

そして、従来の入れ歯では違和感に悩まされていた、使い心地に満足できなかったという方も、ノンクラスプデンチャーであれば軽くて装着感が良好なため、より快適に過ごせる可能性があります。

ノンクラスプデンチャーを装着して微笑む女性のイメージ画像|審美性に優れた部分入れ歯「ノンクラスプデンチャー」とは|愛媛県松山市の歯医者「もりもと歯科クリニック」

ノンクラスプデンチャーは、審美性と機能性を兼ね備えた優れた選択肢ですが、すべての患者様に適応できるわけではありません。個々の口腔内の状態を正確に診断した上で、適切な治療計画を立てることが重要です。

愛媛県松山市のもりもと歯科クリニックでは、患者様1人ひとりとのご要望をしっかりお聞きし、各治療法のメリット・デメリットなどをご説明しながら、最適な治療をご提案しています。気になることがありましたら、ぜひ位一度ご相談ください。

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