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歯ぎしり・食いしばりの原因と影響|リスクと対策を解説

歯ぎしり・食いしばりの原因と影響|リスクと対策を解説

2026/05/09 ブログ

こんにちは。愛媛県松山市の「もりもと歯科クリニック」院長の森本です。当院のWebサイトをご覧いただき、ありがとうございます。

歯ぎしりや食いしばりは、寝ている間に無意識に起こることが多く、自覚のないまま歯や顎へのダメージが蓄積されているケースも少なくありません。

今回は、歯ぎしり・食いしばりの種類や歯への影響、日常でできる対策から歯科医院での治療まで詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

歯ぎしり・食いしばりの3つのタイプとは

歯ぎしり・食いしばりの3タイプ|歯ぎしり・食いしばりの原因と影響|リスクと対策を解説|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|愛媛県松山市もりもと歯科クリニック

歯ぎしりや食いしばりは、専門用語で「ブラキシズム」と総称され、主に3つのタイプにわけられます。まずは自分がどのタイプに当てはまるかを把握しておきましょう。

グラインディング(歯ぎしり)

上下の歯を強く噛んだ状態で左右にこすり合わせるのが「グラインディング」です。ギリギリという音が出やすいため、家族など周囲の人に気づいてもらえる場合があります。グラインディングの特徴は歯の「すり減り」です。進行するとエナメル質が削れて内側の黄色い象牙質が透けて見えるほどになることもあります。

また、歯は上下方向の力には比較的耐えられますが、横方向への力には弱い構造のため、歯槽骨へのダメージも大きいといえます。詰め物が取れたり歯が割れたりするリスクもあるため、早めに対策することが大切です。

クレンチング(食いしばり・噛みしめ)

グラインディングと異なり、クレンチングは音がほぼ出ません。上下の歯をギュッと強く噛みしめる動作を繰り返すタイプで、本人も周囲も気づきにくいのが特徴です。

夜間だけでなく、日中の緊張時に起こる方もいます。長時間の噛みしめが続くと、咬筋や側頭筋に痛みが生じたり、顎の骨にこぶ状の突起(骨隆起)が現れたりすることがあります。また、歯根が割れやすいのもこのタイプに多くみられる傾向です。音がない分、気づいた時には症状が進んでいることも少なくありません。

タッピング(歯を打ち鳴らす)

上下の歯を「カチカチ」と小刻みに打ち合わせるタイプです。グラインディングやクレンチングに比べると頻度は低いですが、これもブラキシズムの一種です。歯に衝撃が加わり続けるため、歯の先端が欠けたり、詰め物が脱落したりする原因になることがあります。

歯ぎしり、食いしばりが与える歯の影響

歯ぎしりや食いしばりの際、顎にかかる力は体重の2〜5倍にもなると言われています。これほどの力が繰り返しかかることで、歯や歯茎、さらには顎関節や全身へとダメージが波及する可能性もあります。また、歯根破折、歯冠破折など抜歯や補綴治療が必要になる場合もあります。

以下では、代表的な症状ごとにどのような影響があるのか解説します。

歯のすり減り

歯がすり減る主な原因は、歯ぎしり・食いしばりです。無意識下で行われることが多く、本人が気づかないまま進行するのが厄介な点といえます。歯のすり減りでエナメル質が失われると外部からの刺激が歯に直接伝わりやすくなり、冷たいものや熱いものを口にするたびにしみる知覚過敏が起こることもあります。

さらに、歯の形が変わることで噛み合わせにも影響し、虫歯や歯の破折にもつながる可能性があります。すり減った歯は自然には戻りません。放置が長引くほど、詰め物・被せ物・インプラントといった本格的な治療が必要になる可能性も高まります。

歯肉退縮(歯茎が下がる)

歯ぎしりや食いしばりによって歯と歯茎に継続的な圧力がかかると、歯肉が少しずつ下がり、歯根が露出した状態(歯肉退縮)が起こります。歯根が外にさらされると、知覚過敏が生じやすくなります。

また、歯周ポケットが深まることで歯周病の進行を招きやすくなり、歯の見た目の変化として「歯が長くなった」と感じることもあります。口腔環境全体の悪化につながるため、早い段階での対処が大切です。

歯が欠ける、割れる

歯ぎしり・食いしばりの影響は、詰め物や被せ物にとどまらず、歯そのものを欠けさせたり割ったりすることもあります。歯根が縦に割れる「歯根破折」は強い食いしばり(クレンチング)をする方に起こりやすい症状ですが、カチカチと歯を鳴らす「タッピング」による断続的な衝撃も、歯の先端を欠けさせる原因となります。

また、神経を除去した歯や加齢で水分量が減った歯は歯質が失われているため、破折リスクが上がります。歯根破折の場合、歯を残すのが難しく、抜歯になるケースも少なくありません。

その他の影響

歯や歯茎だけでなく、歯ぎしり・食いしばりは全身にもさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

・顎関節症

口を大きく開けられない、関節から「カクカク」と音がするなどの症状

・外骨症

顎の骨がこぶ状に盛り上がり、放置すると食事や会話に支障が出る

・首こり・肩こり・頭痛

顎や顔の筋肉が緊張し続けることで、首や肩のこり、さらに側頭部の頭痛へとつながる

・睡眠の質低下

筋肉が緊張したまま眠るため、体が十分にリラックスできず、疲れが取れにくい

朝目覚めたときに顎の疲れや頭痛を感じる方は、睡眠中に歯ぎしり・食いしばりが起きている可能性があります。思い当たる方は、早めに歯科医院への相談をおすすめします。

歯ぎしり・食いしばりの対策と治療

治療に使用するマウスピース|歯ぎしり・食いしばりの原因と影響|リスクと対策を解説|金属アレルギー・掌蹠膿疱症専門歯科医療サイト|愛媛県松山市もりもと歯科クリニック

症状に気づいたとき、まず試せる対策があります。ただし、セルフケアだけでは限界もあるため、症状が続く場合は歯科医院へ相談しましょう。

なお、子どもの歯ぎしりは乳歯から永久歯への生え変わり(混合歯列期)によく見られる生理的な現象で、顎の発育過程で起こる自然な動きのため、基本的に心配不要です。ただし、小学校高学年(10〜12歳頃)で永久歯が生え揃ってきた時期に激しい歯ぎしりがある場合は、顎関節症や永久歯への影響も考えられるため、歯科医院への相談をおすすめします。大人の場合は放置するほどリスクが高まるため、早めに対策しましょう。

自分でできるセルフケア

歯ぎしり・食いしばりの背景にはストレスや筋肉の緊張が深く関わっています。まずは日常生活の中で取り組める対策から始めてみましょう。

首・肩・腰のストレッチ

全身の筋肉を伸ばす運動を習慣にして、蓄積した緊張をほぐしましょう。

・歯の接触を意識する

本来、何もしていないリラックスした状態では、上下の歯の間には2〜3mmの隙間(安静空隙)があるのが正常な状態です。食事や会話を含めても、1日のうちに上下の歯が接触している時間は合計でわずか20分程度といわれています。「歯が触れている」と気づいたら、すぐに鼻から息を吸って、歯を離してリラックスさせる習慣をつけましょう。

・意識的なリラックス習慣

入浴や軽い散歩など、自分なりにリセットする時間を取り入れることで、日中に蓄積した緊張を和らげやすくなります。

いずれも今日からすぐに始められる対策です。続けても改善が見られない場合は、歯科医院への相談を検討してみてください。

歯科医院でのマウスピース治療

セルフケアで改善が見られない場合は、歯科医院でのマウスピース(スプリント)治療を検討しましょう。マウスピースとは、歯や顎への過剰な負担を分散・緩和するもので、夜間使用のナイトガードやスポーツ時向けのマウスガードがあります。治療期間は個人差がありますが、1〜3年程度、通院回数は2〜4回が目安です。症状によっては定期的な経過観察が必要になる場合もあります。

もりもと歯科クリニックではあなたに合ったマウスピースをご提案します

歯ぎしりや食いしばりは、無意識に歯をぎゅっと噛みしめていたり、ほおづえや同じ姿勢を続けたりといった、顎に負担をかけるくせが原因となることもあります。もりもと歯科クリニックでは、詳しい診察を行いお一人おひとりの症状に合ったマウスピースをご提案します。

自分に合わないマウスピースを使い続けると症状が改善しないばかりか悪化する場合もあるため、正確な診断と症状に合った処方が大切です。複数の種類の中から最適なものを選ぶことで、歯や顎へのダメージを正しく軽減できます。「朝起きると顎が疲れている」「家族に歯ぎしりを指摘された」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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