2026年6月 診療報酬改定|CAD/CAM冠・インレーの適応範囲が大きく広がります
2026/04/06 ブログ
こんにちは。愛媛県松山市の「もりもと歯科クリニック」院長の森本です。当院のWebサイトをご覧いただき、ありがとうございます。
2026年6月の診療報酬改定により、保険適用で使用できる白い補綴物(CAD/CAM冠・インレー)の適応範囲が大きく広がります。
今回は、改定前後で何がどう変わるのか、どのような患者様に影響があるのかについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
CAD/CAM冠・インレーとは?
CAD/CAM冠・インレーとは、コンピューターを用いて設計・製造されるハイブリッドレジン製の補綴物です。ハイブリッドレジンとは、レジンと呼ばれる歯科用プラスチックにセラミック(陶材)の粉末を混ぜ合わせた素材で、白い見た目が特徴です。保険診療の範囲内で使用できる白い被せ物(クラウン)・詰め物(インレー)として、多くの患者様に選ばれています。
従来の金属製補綴物(いわゆる銀歯)と異なり、歯の色に近い自然な見た目を保険内で実現できる点が最大のメリットです。また、金属を使用しないため、金属アレルギーのリスクがないことも大きな特徴の1つです。
これまでの適応条件(改定前)
CAD/CAM冠・インレーはすべての歯に無条件で使用できるわけではなく、保険適応にはいくつかの条件がありました。
大臼歯(奥歯)への適用については、以下のとおり特に厳しい制限が設けられていました。

引用:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要 【歯科】」
CAD/CAM冠用材料(Ⅲ)を第一大臼歯・第二大臼歯に使用する場合、「咬合支持」に関する要件を満たしていることが算定の前提条件となっていました。咬合支持とは、上下の歯がしっかりと噛み合っている状態を指します。つまり、噛み合わせを支える歯が十分に残っていない場合には、保険でCAD/CAM冠を使用できないケースがありました。
また、第三大臼歯(親知らず)への適用は認められておらず、後継永久歯のない乳臼歯についても保険適用の対象外でした。
2026年6月の改定で変わる3つのポイント

1.大臼歯の咬合支持要件が撤廃
今回の診療報酬改定において、大臼歯へのCAD/CAM冠・インレー適用における咬合支持に関する要件が撤廃されます。
これまでは、噛み合わせの状態によっては保険で白い被せ物を入れられないケースがありましたが、改定後はそのような制限がなくなります。咬合支持の有無にかかわらず、大臼歯にCAD/CAM冠用材料(Ⅲ)を使用できるようになるため、より多くの患者様が保険内で白い補綴物を選択できるようになります。
2.第三大臼歯(親知らず)への適応拡大
改定前は保険適用の対象外とされていた第三大臼歯、いわゆる親知らずについても、今回の改定により適応範囲に加わります。
親知らずは抜歯されることも多い歯ですが、正常に生えており機能している場合は保存されるケースもあります。これまではその場合でも保険でCAD/CAM冠を使用することができませんでしたが、改定後は他の大臼歯と同様に保険適用が可能となります。
3.後継永久歯のない乳臼歯への適応拡大
CAD/CAM冠およびCAD/CAMインレーの適応拡大は後継永久歯が先天的に欠如している乳臼歯についても、新たに保険適用の対象となります。
通常、乳歯はやがて永久歯へと生え替わりますが、まれに先天的に後継の永久歯が存在しないケースがあります。このような場合、乳歯を長期的に機能させる必要がありますが、これまでは保険でCAD/CAM冠を使用することができませんでした。今回の改定により、こうした患者様に対しても保険内での対応の選択肢が広がります。
改定による患者様へのメリット

今回の適応拡大によって、これまで「銀歯しか選べなかった」状況が変わるケースが増えます。咬合支持の条件を満たせなかった方、親知らずの治療が必要な方、後継永久歯のない乳歯をお持ちのお子さんなど、幅広い患者様が保険診療の範囲内で白い補綴物を選択できるようになります。
見た目の改善はもちろん、金属アレルギーのリスク軽減という観点からも、選択肢が広がることは患者様にとって大きなメリットといえます。
ただし、CAD/CAM冠・インレーはセラミックとは素材が異なり、耐久性や審美性においてそれぞれ特性があります。どの補綴物が最適かは、お口の状態やご希望によって異なりますので、治療の際にはしっかりとご説明したうえで一緒に検討していきましょう。
ご自身の治療に今回の改定が関係するかどうか、また具体的にどのような選択肢があるかについては、お気軽にご相談ください。患者様一人ひとりのお口の状態に合わせた最適な治療をご提案いたします。
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